前回はいつの間にやら話がそれてしまって、Nat King Coleが主体ではなくなってしまいましたが、今日はしっかりと、Nat King Coleの魅力について、書いていきたいと思います。

今日はNat King Coleで!

ではまずこの画像を見てください。これは僕が今(2020年2月15日午前2:30)、Amazon US で調べたJazz Vocal のBest Sellersです。

 

1位 ノラ・ジョーンズ 40才、活躍中
2位 ナット・キング・コール 1965死去
3位 ヴィンス・ガラルディ 1976死去
4位 フランク・シナトラ 1998死去
5位  ナット・キング・コール   1965死去
6位 ビージー・アデール 82才、活躍中

ジャズはオワコンか?

これを見て、ジャズはオワコンだ、と思う人がいても仕方がありません。ほとんど新人がいなんですから。
しかし、1位のノラ・ジョーンズはデビューアルバムを2700万枚も売って、9つのグラミー賞を取っているのです。そのことから考えても、ジャズは まだまだ 全世界にファンがいて、音楽業界に対してのジャンルとしての十分なパワーがあると言えます。
そしてその2位と5位は、なんとNat King Coleですね。これはKing Coleの素晴らしさの証明でもありますが、でもやっぱり、もっと次代を牽引する若手スターに出てほしいものですね。

やはりNat King Coleは偉大だった!

55年も前に亡くなった人のCDが、いまだにジャズチャートの売り上げ2位と5位に入っているなんて、いくらなんでも異常じゃないですか。でも実際Amazonがそう言っているのですから、事実なんですよね。
Nat King Coleの偉大さはそこです。いつまで経っても古くならない、という点です。
日本でもキリンやZoff PCのCMにNat King ColeのL-O-V-Eが使われていますね。このテイクはNat King Coleの亡くなった年、1965に録音されたものです。それでも今テレビから流れていた歌を聴くと、まるで昨日録音したように感じます。

Nat King Coleの歌は 、古臭くない

そうなんです。この時代の人たちの歌は、みんな素晴らしいのですが、どこか古臭く聴こえるものです。しかし、Nat King Coleの歌は全く古臭くありません。これはKing Coleがピアニストとして結構進歩的なミュージシャンだった、ということと関係があるんじゃないか、と思っています。

Nat King Coleの声が素晴らしい

歌手にとっての声とは、楽器奏者にとっての音色と同じで、歌全体に一番大きく影響する要素ですね。そしてNat King Coleの声、これが本当に素晴らしいです。全く嫌みがない声ですね。それでいてすごく説得力があります。ロック歌手がマイクを飲みこみそうになりながら、叫んで歌うより、さらに深く心に入ってきます。

Nat King Coleは 、元々ピアニスト

ピアニストとしてクラブに出演していたNat King Coleは、ある日お客さんから何でもいいから歌うようにと言われました。嫌だったけど、チップをもらってしまったので仕方なく歌ってみたところ、メチャ受け!。その瞬間からNat King Coleの歌手としてのキャリアが始まったのです。

Nat King Coleは 、音楽がわかっていた

ここでのポイントは、じゃあ声がよければ誰でも、急に歌って世界的なスターになれるのか、ということです。いや、そうではありません。
Nat King Coleは歌ってはいませんでしたが、ピアノで歌っていました。つまりNat King Coleの脳の中には、自分の音楽がすでにあったのです。
歌に限らず音楽は、自分の持っている音楽性、イメージを音にして伝えることです。
言い換えれば、音楽を理解する、ということは、自分自身の音楽観を持つ、ということなのです。決して理論書を暗記することではありません。

Nat King Coleはジャンルを超えて愛される歌手ですが、その実、一本しっかりと筋の通った、ジャズマンです。そんなことを感じるたびに、さらにNat King Coleの音楽に惹かれていきますね。

これは僕が2018に出したCDのPVです。L-O-V-Eを歌っています。
どうしても死にそうに暇なとき、見てください

投稿者: Nao Suganuma

ジャズミュージシャン、ピアニスト&シンガー。Nao Suganuma Jazz Lesson主宰

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