楽器や歌を録音する場合、最初の音の入り口はマイクです。そこで今日はマイクの種類とその特徴などについて話していきたいと思います。

まずマイクを大きく2種類に分類した場合、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクに分けられます。その構造については、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3  を参照していただきたいと思います。

ここでは一般的な認識とそれぞれの特性、用途について説明していきたいと思います。

ダイナミックマイク

SHURE SM58
SHURE SM57

このマイクはライブハウスなどでも見たことがあると思いますが、上の写真がSHURE SM58、そして下の写真がSHURE SM57、という機種です。アメリカのメーカー、SHUREが作った、マイクのスタンダードとして知られるマイクです。どちらもダイナミックマイクで、音質もよく、まずタフなことで高い評価を得ています。現場でちょっと落としたくらいではまず壊れません。一般にSM58はボーカル用、SM57は楽器用に使われます。価格もそれぞれ1万円程度と安く、非常にコスパのいいマイクです。

このマイクはライブ用として使われることがほとんどで、録音に使われることはあまりないですね。僕の場合は、SM57をトップシンバル用に使うことがありますが、多くの場合、録音ではコンデンサーマイクを使っています。

コンデンサーマイク

NEUMANN U87Ai

上の写真は NEUMANN U87Aiというマイクで、ドイツのメーカー NEUMANN (ノイマン)が出している、まさに録音業界のスタンダードとされるマイクです。非常に繊細かつパワーのある音が録れ、プロのレコーディングスタジオでこのマイクを置いてないところはありません。宅録を目指す場合でも、何とか1本買っておきたいマイクですが、サウンドハウスでも本体が30万円、ホルダーが4万円ほどしますので、ちょっと気合が要りますね。ゴム紐も純正品はかなり高いので、僕の場合は手芸店で売っているゴム紐で間に合わせています。

このマイクは主にボーカルを録るのに使われますが、音の輪郭がはっきり出ますから、例えばウッドベースなどを録ってもいいでしょうし、これで録れない音はない、と言われています。

チューブマイク

audio-technica AT4060

ダイナミックマイク、コンデンサーマイク、と比べるとやや珍しいマイクですが、チューブマイクと呼ばれるマイクがあります。これは本体の中にチューブ(真空管)が入っているマイクで、信号が真空管を通るため、とても暖かい響きがします。僕の場合はウッドベースに使っています。この写真は日本のメーカー audio-technicaのAT4060という機種ですが、 18万円くらいで、確かホルダーも付いていたように思います。

このチューブマイクという世界は、宅録初心者のためのものではないかもしれません。しかし非常に魅力のあるマイクで、先述のノイマンでも素晴らしいチューブマイクを出しています。僕が欲しいと思っている機種はやはりドイツのテレフンケンというメーカーのものですが、税抜き120万円ですので、なかなか手が出せません。

宅録の世界では、マイクだけに限らず、いろいろ機材を取りそろえるのも楽しみの一つで、ついつい買ってしまうことになります。僕の場合マイクは全部数えると20本は超すと思いますが、ここでは僕の持っているマイクの中でちょっと面白いものを紹介してみたいと思います。

胴体が木でできているマイク

Electro-Voice 3710-7243

とてもキュートなデザインのこのマイクは、今では廃版となってしまったようですが、録音用を目指したと思われるコンデンサーマイクです。一番の特徴は、胴体の赤い部分が木を削って作られている点です。なかなか使う場面がないのですが、持っていて楽しいマイクです。2万円ほどだったと思います。

ケースが異様に立派なマイク

Seide PC-VT 2000

中国メーカーのようですが、ザイドと読むらしいのです。今でもちょっとリニューアルしたものが 4~6万円 くらいで売られているようです。僕が買ったときは確か2万円ほどでした。まずマイクのケースがこれほど立派である必要があるのか、という感じがしました。さらには左右のナンバーキーまで付いていて、やはりマイクは盗まれる心配があるんですかねえ。ケースを開けると

こうなってまして、このマイクはなんとチューブマイクなんですね。チューブマイクにはそのマイク専用のトランスが必要なんです。そしてマイクを見てみると、なんとリボンで縛るようになっています。他ではまず見られない、ツボを押さえた斬新さがうかがえますね。音も決して悪くありませんが、やや粗い音質でしょうか。僕のところでの稼働率はかなり低めですね。

今回はダイナミックマイク、コンデンサーマイク、チューブマイク、と3種類のマイクを紹介しましたが、他にもリボンマイクと呼ばれるマイクがあり、ウッドベースを録るには最高とされています。

マイクで録られた音はマイクケーブルを通ってインターフェイスへ入っていくわけですが、次回はマイクケーブル、インターフェイスの前のプリアンプ、ダイレクトボックス、あたりについて話してみたいと思っています。

ご意見、ご質問、等お待ちしております。

投稿者: Nao Suganuma

ジャズミュージシャン、ピアニスト&シンガー。Nao Suganuma Jazz Lesson主宰

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