ジャズコードの押さえ方③

今回はコードの種類、(タイプ)について見てみます。
コードにはいくつかの種類があります。まずは

C で考えてみましょう

  1. C シー、シー メジャー、どちらで言ってもOKです。
  2. C7 シー セブン、シー セブンス
  3. Cm シー マイナー
  4. Cm7 シー マイナーセブン、シー マイナーセブンス
  5. Cm7-5 シー マイナーセブン フラットファイブ
  6. Cdim シー ディミニッシュ
  7. Csus4 シー サスフォー

と、タイプは全部で7種類です

では、Cのそれぞれについて解説していきましょう。

1. C、 シー、シー メジャー、どちらで言ってもOKです 。また下のような書き方もあります。これらはCに含まれるコードなのですが、特にそのテンションテンションノートを使ってほしい、という場合にこのように書くこともあります。

しかし、基本的にテンションノートの選択はコード奏者、(ピアニスト、ギタリスト)に任されている、と考えて良いでしょう。

2. C7 シー セブン、シー セブンス どちらで言ってもOKです

セブンスで必要な音は、 第3音と第7音

セブンスコードで絶対必要な音は、第3音と第7音です。 まずこの2音を押さえて、そしてテンションノートを足していくわけです。

セブンスコードで加えることのできるテンションノートは

これらのテンションノートをいろいろと組み合わせるので、セブンスコードには非常に多くのバリエーションがあります。ですのでピアニストとしては、加えるテンションノートが細かく指示されている場合はそのように押さえればいいし、簡単に書いてあれば、その場面に合った押さえ方をすればいいのです。

下の表の右2つの押さえ方では、コードの上部に3和音(トライアード、ドミソのような形のコード)が出来上がっています。それぞれA♭、Dのコードが出来上がっていますね。このことをアッパーストラクチャードトライアードと呼びます。そして、本来のコードC7の上に、違うコードが乗ることによって、とてもモダンな響きを得ることができるのです。

どんな響きが好きか、が大切

セブンスコードには、これ以外にも多くの押さえ方があります。ですので常に自分が好きな、かっこいいと感じる押さえ方を探求しよう、という姿勢が大切です。まずは上のコードを弾いてみて響きを確かめましょう。

3. Cm シーマイナー

マイナーコードで必要な音は、第3音

マイナーコードで加えることのできるテンションノートは、6、M7、9、11ですが、M7とは長7度のことで、セブンスコードのように♭は付かないことに注意しましょう。

下の表で 表示されているマイナーセブンスコードは、本来であればトニックコードとしては機能しないのだが、ボサノバ等ではトニックとして使われることも多いので、そのあたりは自分の感性で判断していけばいいでしょう。

4. Cm7 シーマイナーセブンス

マイナーセブンスコードで必要な音は、第3音と第7音

徐々にわかってきたと思いますが、要するに〇〇セブンスコードでは第3音と第7音を押さえればよく、あとは自分の好きなテンションノートを入れればいい、ということですね。

マイナーセブンスでは加えられるテンションノートが少ないので、押さえ方のバリエーションもそれほど多くはありませんが、他のコードと違って11thを使いやすい、という特徴があります。最後に示してある押さえ方は、全部で7音を使って押さえていますが、11thの響きを残しながらマイナーセブンスを感じさせる、人気のある押さえ方です。

5.Cm7-5 シーマイナーセブンフラットファイブ

マイナーセブンフラットファイブコードで必要な音は、
第3音、フラット5音、第7音

Cm7-5、シーマイナーセブンフラットファイブはディミニッシュコードと構成音がよく似ているので、Cハーフディミニッシュとも呼ばれます。このような記号で書かれる場合もあります。


マイナーセブンフラットファイブコードでは、3音を必須とするのであまりバリエーションがなく、 基本的な押さえ方に落ち着くことが多いように思います。

6. Cdim シーディミニッシュ

ディミニッシュコードは、短3度の積み重ね

ディミニッシュコードは短3度を積み重ねたものなので、可能性はCdim, C#dim, Ddimの3種類しかありません。次のD#dimはCdimと同じ構成音になるからです。Cdim、またはC◦と書かれます。

使えるテンションノートは構成音のそれぞれの音の1音上の音です。一般的には構成音の中の1つの音を1音上げてテンションノートとして加えます。

ディミニッシュコードはコードが移り変わる時のつなぎとして、経過コードとしてよく使われます。またビルエヴァンスはトニックコードの代理として、トニックディミニッシュという使い方をよくしています。

7. Csus4 シーサスフォー

サスフォーコードは、4番目の音が伸びたもの

サスフォーコードとは、4番目の音、Cで考えればFの音、を伸ばしたコードのことです。一般的にはセブンスコードで使いますから、C7sus4という場合が多いです。このコードは特殊な形なので、テンションノートを入れることは難しく、構成音をそのまま弾いた方がこのコードの特徴的な響きを出せます。

今回は上記7つのコードタイプについて解説しました。最も基本的な押さえ方を例に出して解説してきましたので、まずは弾いてみて、自分の耳でその響きを感じてみて下さい。そして常に自分の納得できる押さえ方を探求する、という気持ちが大切です。

今回はすべてCのコードで解説しましたが、これがあと11のキーありますから、実際のコードワークでは84種類のコードがあるわけです。しかしどのキーでも考え方は同じなので、曲を進める中で出てきたコードについて、押さえ方を考えていけばいいと思います。

私が作成した、12キーで、すべてのコードの押さえ方を表にしたコード表(pdfファイル)がありますので、希望する方はコメント欄から連絡してください。

次回からは、コード進行(コードプログレッション)について解説していきます。それぞれのコードは曲の中でどんな働きをしているのか、ということがわかると、さらにコードについての理解が深まります。楽しみにしていてください。

ご意見、問い合わせ等、コメントお待ちしています。

ジャズコードの押さえ方②

“C” はこれだった!

前回は片手(左手)での “C” の代表的な押さえ方を紹介しました。

では両手ではどうか、というと

 

 

これです。左手の押さえ方にもう1音Gの音を付け加えて、こうなります。写真で確認できるように、左手で2音、右手で2音押さえるのが基本的な指です。
えっ、これだけ?と思うかもしれません。しかし両手でバッキングを弾く場合、

フロントの邪魔にならない音域で
適度な刺激を与えられる響きで
ベースの動きを制限しないように
ギターとかぶっても大丈夫な音で

こうした条件を満たしつつ、弾きたいわけです。この押さえ方は完璧にそういう条件を満たした押さえ方だといえます。
実際に弾いてみると感じられますが、このサウンドはとてもおしゃれで、いい感じに刺激的で、そしてモダンな響きがします。
それは4度で積み重ねられているからです。このことをジャズ理論では4度堆積と言います。

ジャズピアニストがコードを押さえるとき、まず思うのは、この4度堆積です。

それならば、まずこの押さえ方を覚えて、それを上下に平行移動すれば、すべてのトニックコードが押さえられるんでは、と思いますが、そうはいかないところが難しいところです。バッキングにちょうどいい響きのする音域は

意外と狭い!

半音づつずらして弾く

上のコード表を見てください。真ん中のCのコードを上下に平行移動したものです。
それぞれの響きを確かめるつもりで、ていねいにゆっくりとピアノで弾いてみて下さい。
4音が同時に鳴るように指先に集中して、mpくらいの強さで、弾いてみて下さい。
そのコードの響きがいい響きかどうか、ということは個人の感性によって違いがあります。
しかし、△マークでは響きが、ちょっと低すぎたり高すぎたりする感じがしないでしょうか。

ではどうするか?

上の楽譜のように、音域が低すぎる場合は一番下の音を1オクターブ上げます。
同様に高い場合は一番上の音を1オクターブ下げます。
こうすれば構成音が同じですから、4度堆積とかなり近い響きがします。そして音域的にもちょうどいいところで押さえることができるわけです。

今のところトニックコードだけで話を進めていますが、ほかのタイプのコードでも考え方は同じです。片手なら3音、両手なら4音(あくまでも基本的には)、で、響きのいい音域でコードをつくる、ということです。4度堆積を常に意識する、ということも基本ですね。

では次回③では、コードのタイプ(メジャー、マイナー、セブンス、ディミニッシュ、等)について説明したいと思います。

質問やコメント、等お待ちしております。

ジャズコードの押さえ方①

ジャズコードが分からない

確かに、ジャズピアノを始めたばかりの人にとって、コードの押さえ方は鬼門ですよね。耳コピしようと思っても、そのコードの響きに慣れていないので、想像しようがない、という状況に陥ってしまいます。

弾ければ、聴こえてくる

でも大丈夫。基本的な理論に基づいて、自分で弾いてみれば、その響きを耳で覚えられるので、同じようなサウンドの響きを聴きとれるようになります。自分で正しく発音できれば、正確にヒヤリングできる、という英会話の鉄則と同じです。

まず、Cを覚えよう!

コードを弾くには、両手で弾く、と片手で弾く、があります。が、まずは片手(左手)でコードを弾く、から考えていきましょう。
例えばCのように、コードネームがCとか、Fとか、Bbとか、のように一文字しか書いてないコードをトニックコードと呼びます。
トニックコードを弾く場合は、第3音(コードネームがCならEの音)を入れればそのコードの役割は果たしたことになるので、あとはテンションノートを入れたりして自分の好きな響きを作っていくわけです。

テンションノートって?

テンション(緊張)、ノート(音)という意味で、そのコードにいい意味で緊張を加える、かっこよく響くようにする、ための音のことです。では実際にはどんな音のことかというと、下の楽譜を見てください。

これはいわゆるドミソ、Cですね。これで間違いではないんですが、ジャズっぽい響きではありません。つまりテンション(緊張)無し、という状態です。そしてさっき説明したようにCのコードでは第3音(E)が入っていればいい、ということなので、

ということですが、これはコードではありません。コードとは和音という意味ですから、2音以上の音を合わせることです。ではどんな音を足していいのか、というと、Cというトニックコードでは次の音をテンションノートとして足すことができます。

そして出来上がったのが、これ!

ジャズピアニストなら、まずはこれ!です。第3音さえ入れておけば、あとは選べる音がいくつもあるし、左手の指は5本あるので、2和音から5和音までの可能性があり、その組み合わせはメチャたくさんあるわけですが、まずはこれを覚えましょう。
サウンドがいい、高さがちょうどいい、4度で重なるバランスがいい、と全てにおいて完璧な押さえ方なのです。

弾いてみて、響きを感じることが大切!

ジャズピアノでは多くの理論があり、そうした理論を理解することも重要ですが、何より一番大切なのは、自分の感性です。
いくら理論武装しても、自分がこの響きがいい、と感じられない音やフレーズは、結局身につきません。

まずはミ・ラ・レと弾いてみよう!

今回は、トニックコードの考え方と、代表的な押さえ方について説明しました。この講座では楽譜を添付して説明していきますので、まずは弾いてみて、自分の耳でその響きを感じてみてください。このジャズコードの押さえ方シリーズは①~⑤まで予定しています。徐々にUPしていきますが、どの段階でも質問OKです。下のコメント欄からどんどん質問してください。